材料力学及び演習Ⅰ, 機械材料, 塑性加工, 機構学, 工学実験Ⅰ, プレゼンテーション技法, 工学プロジェクト, 卒業研究ⅠⅡ 概要(目的?内容) 材料力学及び演習Ⅰ…機械や構造物は様々な材料で作られた部品や部材で構成されている.しかし,その材料が耐えることができる荷重には限界がある.荷重が加えられても壊れないような安全な材料の形状や寸法と力の関係を学習する.
機械材料…金属は原子で構成された結晶構造をもつことによって,興味深い性質を示す.例えば,金属の諸性質はそれを構成している原子の種類のみならず,その原子の並び方によっても著しく変化する.機械材料の強さも原子の配列の乱れに著しく影響される.金属の特性は,構造材料に最も適しているので多量に使用されてきた.その金属の本質的な特性を理解する.
塑性加工…塑性加工は身近な製品を製造するのに最も広く用いられている加工技術である.ここでは,材料の塑性変形のメカニズムなどを理解し,圧延?押出し?引抜き?せん断?曲げ?絞り?鍛造などの加工法を学習する.
機構学…機械は,コンピュータで制御し動かされている.しかしその動く部分には様々な部品(リンク?歯車?カム?ベルトなど)で構成され,その機構が組み合わされて一連の動作をしている.このことは今も昔も変わらない.ここでは,その伝動機構としての基本的な知識を習得する.
工学実験Ⅰ…機械工学における諸問題を理解するには,単に現象の理論的な解釈を学ぶだけではなく,諸現象を実際に体験することが重要である.工学実験Ⅰでは機械工学の主要な分野(機械加工?材料力学?機械工作法?流体力学?熱力学?制御工学など)のなかでも材料分野に関する「金属材料の熱処理」の基礎知識を体得する.
プレゼンテーション技法…実社会では企画内容や仕事の成果などについてプレゼンテーションを行わなければならないことが多い.プレゼンテーションでは,伝えようとする内容が的確に第三者に伝達されなければかえって本人の評価を下げる結果ともなり,その出来不出来は大変重要といえる.ここでは,プレゼンテーションを行うための準備,発表の方法などの具体的な手法について学んだ後に,実際に各自の卒業研究の成果をテーマとして発表の練習を行う.
工学プロジェクト…科学技術関連の文章は,科学的な事実を正確に且つ客観的に表現し,人に読んでもらうために書くことを常に意識しながら読者に一読で理解できるように書かなければならない.得られた成果のプレゼンテーションでは,会場の後方にいる聴衆にも聞き取りやすいように歯切れよくスラリと平明に話すように心がけなければならない.聴衆に自分の話(考えていること)を浸透させるには,PowerPointの原稿をどのようにして作成すればよいのか.受講学生には,これらのスキルを本講義でつかみ取ってほしい.ここではさらに卒業研究に入る前に,その関連分野の専門的な予備知識も習得していただく.予備知識とは例えば次のようなことである.材料を塑性加工するとき,超音波振動応力を付加させると,付加させない場合よりも小さな応力で塑性変形させることができるようになる.このように超音波振動応力付加により変形応力が低下する現象を,発見した人の名前に因んでBlaha(ブラハ)効果と呼ばれている.この現象は多くの金属材料などで確認されており,塑性加工技術として,線引き?深絞り?圧延などに広く応用されている.卒業研究ではこの技術を応用して,材料の塑性変形に関する特性を調べる予定である.ここでは,このような予備知識の一部も習得する.
過年度担当科目について 概要(目的?内容) 工業力学及び演習(再)…力学は工学の基礎科目である.さらにそれは,熱と流れの力学?固体の力学?機械の力学などへの入門としても重要な学問である.ここでは,力のはたらきや物体の運動について十分に理解し,自力で論理的に考えていく能力を養う.